2009年12月26日土曜日

『今できる不食総括』 1

「今できる不食総括」の前編に添えて  
  
 日本に帰ってきて二か月が過ぎ、ようやく書けていたものがタイプし終わりました。字数にして「10万7千字」、細めの文庫本一冊分相当だと思われます。これだけの書きものをしたのは初めてですが、その正直な感想はまだまだ書き足りないということです。
 
 言葉というものはかなり表現力の高いものだと期待してきましたが、案外空しいもので、本当によい内容を仕上げようと思えばちょっとやそっとでは出来上がりません。今回ここにまとめたものは今年(H21年)1月4日から28日までの間に、ヨーロッパで日本に帰ると決めてからの3週間あまりに書いたものです。
 毎日たくさん執筆しましたが、落ち着いた環境ではなかったので急いだところやいい加減なところ、誤字や脱字等があると思われます。それでも自分のやってきたことを「書く」という形でまとめたかった自分は、日本に帰ってきてからはパソコンでタイプをしていきました。 
 欲を張ればまだ書き終えていない点などが気になりますが、とりあえずはこれで締めたいと思いました。 

 「不食」という奇異な思想の扱い方も日本に帰ってきてからの2か月でだいぶ変わってきたのですが、それは仕方なく、ここでは日本帰国以前の“野性的”な、ある意味で社会をどこか恐怖した自分の視点からまとめたものを提出します。そこには多分に社会が「不食」をどう受け止めるかということに対する懸念が潜んでいて、どこかこわばった姿勢が伺えるかもしれません。それでもいいと思いました。
 『今できる不食総括』という題名にしては、実は、今回書き上げたものにはあまりその思想が登場しません。たぶんに中途発表というのでしょうか、「中途半端」です。
 内容は主に無謀な旅に出るに至った経緯と、旅の大部分(22カ月)となります。しかし僕がこれから「不食」的生き方を追究していく際にこの書きものは「大きな助け」になることは確信しています。この中にも細部を注意して読んでいただければ、「不食」に対する僕の捉えかた、入り方がかなり表れています。逆にこの、苦労して書いた10万字なくしていきなり山田鷹夫氏のように、「不食」を語っても、読者の方もつっかかりを見つけるのが大変だろうと思います。 
 そういう訳で、本当は『無銭徒歩―7000KMの旅』とでも題すべき書きものですが、中途半端ながらもこれで前編として、締めくくらせていただきます。 
                   
平成二十一年四月八日                                                                                                  著者小川智裕

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